つなぐビール
盛岡市にあるベアレン醸造所の創業記。
ベアレンとはドイツ語で熊を意味するそうです。
私はビールはおろか酒も基本的に飲みませんが、この書籍は面白かったですね。
地ビールブームの終わりごろの創業に始まり、そこから死亡事故を乗り越えて、ファンを増やし続ける。
他の企業のようなギリギリの綱渡りという場面は少ないものの、成長を是とするのではなく、あくまで地元岩手に根差した企業を目指すところが海外のブルナリーに似ていて、好感が持てます。
地ビールと言えば、価格が高いという印象があるでしょう。
しかし、ベアレン醸造所ではイベントでは入場料だけとってあとはビール飲み放題といった良心的な企画もしていたりとファンの心理も理解しています。
定期販売ではテーマを決めて色々なビールを送っているので、同じ銘柄を飲み続けるのではなく、色々なビールを飲みたい人にとってはコスパも良くて、至れり尽くせり。
作り手のイヴォの気まぐれで味が変わるのも、手作り感があって良かったです。
全国画一のビールを好きになりたいとは思いませんが、ビールと一口にいってもいろいろな種類があること、そしてそれを作り、提供する企業があることを知れて、こういう企業があるなら私もアルコール飲料にも興味を持ちたいなと感じました。
ビール好きでない私でもそうなのだからビール好きならなおさらそのように感じるはず。
ビールは好きだけど、クラフトビールは試したことないな…なんて人にはお勧めの一冊です。