トマトが切れれば、メシ屋はできる 栓が抜ければ、飲み屋はできる
メインタイトルからは分かりにくいですが、内容はサービスに特化した居酒屋経営術の本です。
損して得とれの精神で徹底的にお客の喜ぶことをすることが個人経営の居酒屋が大手に勝つ方法とのこと。
確かに大手に資本力で勝てない以上、個人居酒屋は価格以外の面で勝負しなければなりません。
立地、レイアウト、メニュー、味、そしてサービス。
その中で著者の宇野氏はサービスに焦点を絞っており、あの手この手で店を盛り上げようとする工夫を考えます。
他店に倣った工夫も多いので、楽コーポレーションならではという褒め方がしずらいのですが、個人的にメニューにタレの継ぎ足しの日数を書く演出は面白いなと感じました。
一見すると単なるパフォーマンスですが、継続することでごく普通のタレが秘伝のタレへと変化変化する可能性を秘めてます。
焼き鳥だったり、鰻のようなメニューは時間が経てば経つほど魅力的になってきますね。
他店のメニューを取り入れるというのはやや反則気味なところもありますけど、家庭的な居酒屋という前提ならそれくらいは許容範囲でしょう。
料理の種類もさほど制限されませんし、居酒屋は飲食店でもとりわけアイディアが現場に反映しやすい業態と言えます。
不況時も安売りを推奨せず、サービスで補おうとする主張には好感が持てました。
ただ、ここまで褒めてきてなんなんですけど、私は馴れ馴れしい店は好きではないので、残念ながら著者のサービス至上経営スタイルは好きになれそうにありませんでした。
いきなりフレンドリーな感じで名前呼ばれても調子乗んなと感じますし、話しかけられても鬱陶しいなと感じてしまいます。
私はこの手のリア充演出が嫌いなのです。
突き詰めればサービスの究極はお客の望む配慮ができるかなので、そういう意味ではこの本にあるサービスも最高とは言えないのです。
本書に載っているサービスが心地良いという人もいるのでしょうけど、私であれば一度で懲りて、おそらく次からは別の店を利用するでしょう。
文中、自分の持ちたい居酒屋のイメージがないと駄目と説いているのですが、本書を読む限りではサービス特化型の店以外は認めてくれなさそうな印象も抱きました。
というのも、序盤で2ドルで焼きそばを売り、1ドルでビールを売るアメリカの店の話が出てきます。
その代わりこの店はサービスが全くなく、セルフサービス。
著者はこの店を見て、こういう店は出来ないなと感じたそうです。
で、しばらくすると安価なメニューを出しているから、サービスに手を抜くというのは自分勝手な発想と書いてある。
あれあれ、それはあくまでどういう店をやりたいかの考え方であって、それを否定するのはおかしんじゃないのと?
こうした著者の考え方がどうも店の在り方を限定しているように感じるのです。
演出ももちろん大事な要素ですが、この要素だけを重要視すると騒がしい居酒屋しか作れなくなります。
もちろんそうした居酒屋の方が流行るのかもしれませんが、人によっては家族で楽しめる居酒屋を作りたい人もいるだろうし、逆に年配の人が腰を据えて楽しめる居酒屋を作りたい人もいるかもしれない。
本書はそうした層を切り捨てているようで、私には違和感が残りました。
結局のところ、私自身が居酒屋向きの人間でないということなのでしょうね。
あるいは著者の運営する楽コーポレーションのターゲット客でないというか。
酒は基本飲みませんし、居酒屋で馬鹿騒ぎしている人間は大嫌いですし。
本書は著者と同じスタイルの居酒屋を経営したい人には参考になると思います。
あるいは本書を読んで違和感を覚えたら、それはそれで自分が持ちたい店のイメージが心にあるということ。
自分の持ちたい店のイメージの再確認にもなりますし、居酒屋経営を目指すなら一読の価値はありそうです。
損して得とれの精神で徹底的にお客の喜ぶことをすることが個人経営の居酒屋が大手に勝つ方法とのこと。
確かに大手に資本力で勝てない以上、個人居酒屋は価格以外の面で勝負しなければなりません。
立地、レイアウト、メニュー、味、そしてサービス。
その中で著者の宇野氏はサービスに焦点を絞っており、あの手この手で店を盛り上げようとする工夫を考えます。
他店に倣った工夫も多いので、楽コーポレーションならではという褒め方がしずらいのですが、個人的にメニューにタレの継ぎ足しの日数を書く演出は面白いなと感じました。
一見すると単なるパフォーマンスですが、継続することでごく普通のタレが秘伝のタレへと変化変化する可能性を秘めてます。
焼き鳥だったり、鰻のようなメニューは時間が経てば経つほど魅力的になってきますね。
他店のメニューを取り入れるというのはやや反則気味なところもありますけど、家庭的な居酒屋という前提ならそれくらいは許容範囲でしょう。
料理の種類もさほど制限されませんし、居酒屋は飲食店でもとりわけアイディアが現場に反映しやすい業態と言えます。
不況時も安売りを推奨せず、サービスで補おうとする主張には好感が持てました。
ただ、ここまで褒めてきてなんなんですけど、私は馴れ馴れしい店は好きではないので、残念ながら著者のサービス至上経営スタイルは好きになれそうにありませんでした。
いきなりフレンドリーな感じで名前呼ばれても調子乗んなと感じますし、話しかけられても鬱陶しいなと感じてしまいます。
私はこの手のリア充演出が嫌いなのです。
突き詰めればサービスの究極はお客の望む配慮ができるかなので、そういう意味ではこの本にあるサービスも最高とは言えないのです。
本書に載っているサービスが心地良いという人もいるのでしょうけど、私であれば一度で懲りて、おそらく次からは別の店を利用するでしょう。
文中、自分の持ちたい居酒屋のイメージがないと駄目と説いているのですが、本書を読む限りではサービス特化型の店以外は認めてくれなさそうな印象も抱きました。
というのも、序盤で2ドルで焼きそばを売り、1ドルでビールを売るアメリカの店の話が出てきます。
その代わりこの店はサービスが全くなく、セルフサービス。
著者はこの店を見て、こういう店は出来ないなと感じたそうです。
で、しばらくすると安価なメニューを出しているから、サービスに手を抜くというのは自分勝手な発想と書いてある。
あれあれ、それはあくまでどういう店をやりたいかの考え方であって、それを否定するのはおかしんじゃないのと?
こうした著者の考え方がどうも店の在り方を限定しているように感じるのです。
演出ももちろん大事な要素ですが、この要素だけを重要視すると騒がしい居酒屋しか作れなくなります。
もちろんそうした居酒屋の方が流行るのかもしれませんが、人によっては家族で楽しめる居酒屋を作りたい人もいるだろうし、逆に年配の人が腰を据えて楽しめる居酒屋を作りたい人もいるかもしれない。
本書はそうした層を切り捨てているようで、私には違和感が残りました。
結局のところ、私自身が居酒屋向きの人間でないということなのでしょうね。
あるいは著者の運営する楽コーポレーションのターゲット客でないというか。
酒は基本飲みませんし、居酒屋で馬鹿騒ぎしている人間は大嫌いですし。
本書は著者と同じスタイルの居酒屋を経営したい人には参考になると思います。
あるいは本書を読んで違和感を覚えたら、それはそれで自分が持ちたい店のイメージが心にあるということ。
自分の持ちたい店のイメージの再確認にもなりますし、居酒屋経営を目指すなら一読の価値はありそうです。