なぜ倒産 平成倒産史編
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紹介
経営の真実はミステリーを超える!
平成の30年間に倒れた中小・ベンチャー企業24社の失敗から、
普遍の法則を引き出す。
カメラの「ドイ」、ヘルメットの「昭栄(しょうえい)」、
ファブレス&研究開発型ベンチャーの先駆け「カンキョー」……。
あの有力企業が、なぜ -- こうするより、ほかなかったのか?
「会社を潰した経営者の告白」5編のほか、社長の苦渋の証言を多数収録。
「倒産というカード」の戦略的な切り方に踏み込む。
レビュー
「なぜ倒産 こうするよりほかなかなかったのか 23社の破綻に学ぶ失敗の法則」の続編です。
そちらは未読。
まぁケース事例集なので、そちら読んでなくても問題ないです。
倒産した企業にも様々な原因があれど、結局本書で教訓として述べられていることは結果論にすぎないように思えてしまう。
逆に成功した企業だってタイミングの問題だけで、やってることは同じなのに明暗分かれている場合も少なくない。
思いつくだけでも、楽天なら最初にネットモールを開いたから勝者になれただけ。
(だから後塵を拝した海外では勝ち組になれなかった)
メルカリも、先発企業でないのに勝ち上がれたのは広告を打つタイミングが上手かったから。
それを知っていると失敗の法則は一か八かの賭けで負けただけということにも映ります。
本文中ではバブル時の設備投資による負債に苦しめられた企業が多く紹介されてますが、右肩上がりの成長をしている状況では間違いなく規模拡大のために設備投資するのは正しい判断でした。
今の会社経営は利益重視だけど、それだってこの先どうなるか分かりません。
利益を出さないようにして、従業員還元を謳う企業経営がスタンダードになるかもしれない。
だからこそ、経営者でもない日経トップリーダーの記者が失敗を上から目線で語るのは高慢ちきに感じてしまいます。
逆に経営者が語る部分は読みごたえがあるのですが。
しっかり一社一社経営者の弁を読んでみたいです。
結論として本書は賭けに勝った企業は称賛し、賭けに負けた企業は非難するという日経の価値観がよく分かる一冊。
ビジネス本は好きだけど、日経のビジネス至上主義のこの部分だけは本当に好きになれない。
読む前は失敗談の方が面白いかと思ってたけど、第三者の視点で書かれているものに関しては成功談の方が面白い。
参考になりましたね。